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引き寄せの法則 [雑感]

本を読んでいれば、その本で紹介、もしくは対談している相手の本に興味を持ち、数珠繋ぎのように繋げていけばそのうち引き寄せの法則になるというのも法則メインではなく、そのようにしているから、法則のようにも思える。

となれば、プラス思考でポジティブシンキングだけをしていれば幸せを引き寄せられるかというと、そのような幸せが欲しければ引き寄せられるかもしれないだろうと考えます。




立花隆氏の「宇宙からの帰還 中央公論新社」も、引き寄せた出会いでした。

司馬遼太郎氏の対談の文庫本を読んでいると、立花隆氏との対談も収録されており
それを読み進めていると、立花氏の訃報に接しました。

私は、立花隆氏のことをほとんど存じ上げず、ジャーナリストとしてTV番組出ていたという印象しか持ち合わせていませんでした。

さて、対談を読み進めていると、訃報の際に最も取り上げられた「田中角栄研究」の出版に対して、立花隆氏は、後世の人々が思うほど、自己評価を持っていないようであります。

「田中角栄なんていうのは、なりゆきでやっているだけで本質的に関心があるわけではない」

それは、当時の政治記者の中においては、田中角栄氏の金権に関する情報は周知のことであったようで、皆が知っていることをわざわざ本にしたいやらしい奴だ、と、口さがないことを流石に表立っては言わなかったようです。
ヤン・ウェンリーは、社会の腐敗とは政治家の腐敗ではない、腐敗した政治家を正すことができないことを社会の腐敗というのだ、と言っていますから、立花隆氏の倫理観というものは、ジャーナリストとしてどこで持ち得ていたものだろうかと。

「ぼくは育った家庭が、両親ともに無教会派のクリスチャンだったもので、子供のときから、神だの人間存在だのということを考えながら育ってきた」

キリスト教の教養が基礎にあったのだと、対談から感じ取ることができました。これが是であるかどうかは、日本の社会風土というものを排除することで「文明開花」をした明治維新の風潮は、いつまででも続くようなものですから私は判断しかねますが、政治家の腐敗に対して、ヒトとしてジャーナリストとして、良心に従った行動だったのだろうと私なりに解釈をしています。

しかしながら、訃報に際した立花隆氏の功績は、現在のメディアに都合が良いであろう「政権に対してジャーナリズムを行使し、退陣のきっかけを作った人物」としてよく紹介されていました。
調査報道の手法を確立したと、記事にはありますが報道機関は立花隆氏のそれ以後の言葉を追ってはいないようであります。

「宇宙からの帰還」では、宇宙に上がった米国の宇宙飛行士たちにできるだけインタビューをし、彼らの宇宙体験というものはその後の人生にどのような影響をもたらしたのかを「調査報道」している一冊です。

取材をした1980年代も環境汚染を問題視している場面において、元宇宙飛行士を取材しています。

ー環境問題にしても、政治にかかわらざるをえないのではないか。
「いや、私は環境問題に政治的に取り組もうとは思わなかったし、実際、取り組みもしなかった。だいたい私は、”何でも反対”的なエコロジー運動には与しない。環境汚染をゼロにすることはできないし、する必要もない。宇宙から地球を眺めればすぐわかることだが、人為的環境汚染より、自然による環境汚染のほうが、量的にはすさまじい。たとえば、火山の爆発による大気汚染、大雨が土砂を押し流すことによって生まれる水汚染。
環境問題とは、この地球という惑星の生存の条件と、人間の生産・生活活動の間の妥協点を科学的に発見していくことだと思う。環境汚染を恐れないのは誤りだが、環境汚染を恐れすぎるのも誤りだ。どうすれば、より良い妥協点を発見できるか。これが、私の環境問題に取り組む視点だった。だから、エコロジストが、建設絶対反対の運動を展開したアラスカの石油パイプラインの問題にしても、私は、どういうパイプラインなら、環境から許容されうるかを調査するという方向で取り組んだ。私は環境問題をビジネスにしようとした。行政当局や企業がぶつかる環境問題に、調査、企画、立案で応えていく環境問題コンサルタントになるということだ」

1980年代前半のインタビューです。

この元宇宙飛行士の方のいう、
「環境問題とは、この地球という惑星の生存の条件と、人間の生産・生活活動の間の妥協点を科学的に発見していくことだと思う」
「環境汚染を恐れないのは誤りだが、環境汚染を恐れすぎるのも誤りだ。どうすれば、より良い妥協点を発見できるか。」
モノの中庸とする考え方に共通するのは、事象をいかに「科学的」に捉えようとするかであろうとインタビューから考えさせられます。

「科学的に発見する」ことはどういうことか?

それは今を知ることから始まるのか。今を知るためには、過去を知り、過去を知ると未来がわかる。未来がわかるということは、今の現状を知ることにもなる。

過去と現在と未来の円環の関係性を想像できるのは、興味深いことです。

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