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清酒 [清酒の面白み]

酒の味などわからない不調法ものです。そんな私が目安にしているのは、ラベルに書かれている味の説明通りであるか。

どのような味わいであれ、ラベルに書かれている文言通りに味わえるお酒というのは美味しくいただける、と、私は経験しています。



ラベルの文言とは、スーパーなどで置かれている四合瓶などの首掛けの文言です。
もしくはラベルの裏書きに書かれている製造蔵の、お酒の「味の」紹介文です。
その文言を読んで商品を飲んでその通りの味がするお酒というのは、味わいの方向性や金額がどうであれ、私は美味しいと感じています。

清酒の味わいに関して歴史から紐解いていけば、美味しい清酒というものは「水の如く飲める酒」となっています。無論、水のように飲めてしまうのが是ではなく、そこに五味をどのように演出をするのか。
そして、なぜ清酒の美味しさの基準が「水の如く飲める酒」となったのか。

さる大手蔵のトップレンジの一つ下のお酒を口にしました。

クリアな黄金色をした液体を口に運ぶと、その蔵が設計している味わいの順番の通りの味を舌の上で、喉で味わうことができます。

冷えた温度で飲める、ピュアでフレッシュな造りであればあるほど評価がされがちな現代の清酒事情でありました。
清酒の製造技術の歴史を辿れば、熟成させていない清酒というものは技術の本質に触れられているのか。私の注意を引くところであります。

別の蔵の話を思い出しました。
その蔵の杜氏が、来年度の作りから「純米酒」を作らない、と探索射撃のような発言をされた後、その蔵の酒のファンの方がクチコミで、「今のうちに純米酒を買い込んでおく」という流れになっていました。清酒ファンの中では、清酒の価値が「純米酒>本醸造」という認識が広がっている証拠であろうと私は観察しました。杜氏さんの真意は、杜氏さんの狙っている酒質を作るには、本醸造である方が再現性の担保も作りの合理性も高い、そのような判断をなされていたのでしょう。しかし、マーケティングとブランディングの方面の要請か翌年以降も「純米酒」の製造を継続されました。

ロマンを方便にして商売をしているのかいないのか。客も求めているからと、よくわからない商売をしていると考えられるのは、付与価値の内容でありましょうか。ロマンから、そっと、離れてみると何が見えるのか。

熟成をさせた清酒の味わいと、より短い期間で同じような味にさせる技術。
ロマンであるのか、技術であるのか。

純米吟醸、純米大吟醸の名称から、どのような清酒を消費者は想像するのか。

一年経過させないとその名称を使わないといった蔵もありますし、熟成させたものとブレンドをして味の連続性を担保するというのも技術でありましょう。

ピュアでフレッシュな酒が、子供騙しでダメなものとは言いません。昔の製法で作る清酒が、子供騙しであるのか否か。私は口にしたことがありませんからわかりません。ですが子供騙しとは何かについて考えるヒントはあります。

子供騙しは、大人が真剣に作らないと子供は本当に騙されてくれない。
by富野由悠季

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