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日付の古いものから買っていくのもSDGs [雑感]

世の中、SDGsなどと叫ばれていますが、スーパーで商品の日付を見て
新しいのを買うことをやめましょうという運動を、主流派(誰?)の人たちから
聞いたことがありません。

私は天邪鬼でありますから、大型商業店舗の酒売り場に陳列されている日本酒を
日付の古いものを引きずり出して購入してきました。

1年前の日付です。

大型商業店舗にどの様なマニュアルが存在するのかは承知していません。
一律的に廃棄処分する期日を決めていると推察していますが、
それとも何らかの意図を持っていたのでしょうか。
売り場のレイアウトからは、その様なことは想像に至りませんけれど。



売り場のレイアウトを見ると、手が混んでいるのかいないのかくらいは見分けがつくような気がします。
ここら辺は大手企業のノウハウは、マニュアル化した陳列方法となっているはずですから
本部からこのように陳列するようにとの指示付きでの商品陳列もあるのでしょうし、
今はどうかは知りませんが、納入関連業者がせっせと自社商品もそうでないのも陳列するのも
慣例となっているはずです。
店舗が配属している店員の数では、とてもじゃありませんが管理しきれないのが現状でしょう。

さて、新潟系の清酒、我が国の元首相が外国の元首に手土産で持って行ったと紹介され、
新潟吟醸酒ブームの先駆けともなった銘柄が、定価で陳列されております。

30数年前には手に入らずに、需要と供給のバランスが崩れていたものですが、
今ではこうして大型商業店舗の酒コーナーに、定価で並ぶようになりました。
ではその価値が落ちたかというと、周りの熱気が鎮まっただけで、
中身の本質は変わりはないでありましょう。
ここら辺も正確には「昔と味が違う」と言われる向きもあるそうですが、
動的平衡であるのは、背景に技術があるからでもあります。

手前に立っていた商品は、半年前の日付でありましたが、奥にもありそうだったので
日付はどうかしらんと覗いてみると、去年の5月製造とあります。
この蔵での出荷は、生産から7ヶ月ほど寝かしてから製品として出荷すると聞いたことがあります。
これだけをみると、味わいは大丈夫?と考えてしまいそうですが、
存外私は平気に、むしろ、古い方がまろやかになっているんじゃないかと、
都合の良い解釈をして手を伸ばします。
無論、全ての清酒において適応される基準ではありませんが、
よく醸されている清酒であれば、それが期待できるのであれば私はそちらを購入します。

大型商業店舗ですから、そのような隠しアイテム的なことが許される環境ではないでしょうが、
1年放置の商品が、陳列棚の奥とはいえ置かれていたのには意外でした。

私は、SDGsのお題目のために良いことができたと(毒)、内心喜んで購入しました。

開栓してみると、常温放置ながら大型商業店舗内で陳列されていますから、
大きな温度変化もなく、照明等の紫外線による劣化(存在するとすれば)はあるかもしれませんが
状態は良好。
香りも葡萄系の爽やかな香りが微かに感じられ、やや透明な、少々青ざめた液体を口にすると
まろやかなアルコールの風味を感じられ、香りと味とのバランスがとても好印象に感じられ、
食中酒として、香りが味わいを邪魔することなく、頂くことができました。
さて、これが何日放置(常温)でどの様に変化を見せるのか。それも楽しみであります。

1日目は清々しい印象、2日目は荒々しい、3日目以降で荒々しかった角が取れてきて
初日の開栓時に味わった風味とは別の風味を楽しむことができました。

清酒の飲みどきって、開けたてだけがベストなのか?となりますが、
基準をどこにするのかで、その評価も変わってくるのではないでしょうか。

開けたてのフレッシュ(とはいえ7ヶ月+12ヶ月)感と、数日後のこなれてきた米の酒としての
ふくよかさを携えた味わいと、どちらが美味しいのかは、どこに評価の基準があるのかで
変わってくるものでしょう。
米の酒の製造技術が、開けたてよりも、ある程度の時間経過をした時の味ののりを
主流として歴史を重ねてきた経緯を考えれば、そういうものでしょうし、
生っぽい、作りたて生が全てだと基準をおけば、そういうものになるのでしょう。

無濾過生原酒も良いですが、自分の傾向としては、
ちゃんと火入れがされた清酒の方が口に合う、
口に合わせるときに色々と補正作業をしなくても済む、そのような印象を持っています。
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