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越前焼 [雑感]

福井県にある越前古窯博物館へ行ってきました。

個人の方が中心となって、消失しかけていた越前焼という製法を
再び世の中の日の光の下に引っ張り出した、偉い人であります。


中に展示されている品物は、すべてが本物。
イミテーションではないと、施設の方の案内がありました。
触れませんが、手に触れる場所にあるものですから、展示品はイミテーションではないかと
質問されることがあるそうです。

この方の研究ノートの閲覧することができます。

内容は、越前焼の発掘や現代の越前焼の拡販のアイデア、
発掘された陶器の文様についての客観的な考察。
新自由主義経済思想の方々に見せると、そんな当たり前のことと鼻で笑うかもしれませんが
笑った方が笑われているのは、古今東西の真実でありましょう。

新自由主義者、もしくは新しいものは正しいと(でもすでに四半世紀くらい経っていますが)
思い込んでいる方々の盲点だと観察しているのは、人件費をどこに組み入れているか。
簿記をやられている方には、当然生産費部門だと認識されていると思われますが、
ビジネス本が好きな経営者の方などは、果たしていかがでしょうか。

1960年代の知識人層の方の認識も、人件費は生産費に組み込まれていると考えられていたことが
この方の研究ノートを読んでいて、知ることができました。

私の世代では、辛うじて大学の経済学でマルクス経済学を講義で受けましたし
中学の社会の教科書にも、資本主義経済下では好況と恐慌が繰り返し訪れ、
デフレとインフレは需要と供給で決まると習ったものですが、
現在ではいかがでしょうか。

恐慌期に行うのは、資本の集積か集中か。
銀行から借りたお金を返す部門は、どこからなのか。
そのようなことを知っておくだけでも、
現在のコロナ禍恐慌を論理的に捉える一助にはなりそうです。

文様に関しても、「文様は思いつきでつけるのではない」「頭ですでに考えたものをつける」
それは、「母親から教わった文様から大きく逸脱することはない」。
などの記述がありました。
おそらく、当時の職人の方々のお話を丹念に聞いて廻られた観察の結果でありましょう。
そして、文様が変化するときは、社会環境の変化が要因としてあるとの指摘もあります。
発掘された器に変化があれば、それは製作者の得手勝手ではなく、社会環境に変化があり
その社会の変化を歴史として調査することでその変化の意味を研究する、と言った内容でありました。

全く、客観性、実証性に富んだモノの観察の仕方であります。

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