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人間感覚にマッチする [MINI R56]

自動車メディアというものについて、性善説に立ってはいけないということを
なんとなく知ることができた、ある日のイベントです(苦笑)

このイベントで感じた結論は

「人間感覚にマッチした操縦応答性」 
零戦 その誕生と栄光の記録 113頁 堀越二郎 角川文庫

この文章の普遍性です。




タイヤの比較をするというのは、個人で買うときには、雑誌の情報、ネットの情報、値段(笑)
などが考えられます。

そして、値段以外の情報は、眉唾もので考えなければならないのですが(これもすごい話)
これ以外の情報に出会うのは、インターネットの時代には、非常に難しい。

値段での評価というものは、今まで私はあまり考慮していなかったのですが
タイヤに関しては、相対的な比較にしても、価格の上下というものは、正しい情報の
一番の出どころなのかもしれません。

ただ、そこで、この価格の割には性能が良いとか、そういうことを考えると
足元をすくわれるわけです。
そして、某価格サイトで最安値だからと言って手を出すのも
万全を期しているかと言うと、そうではないような気もします。

今回は、同じ車両でタイヤの銘柄だけ変えて、その違いを体験、体感しましょうということです。

このようなイベントは、あまり行われないのが実情のようです。
公正取引法に引っ掛かりやすい内容になりやすいようで、世の中、あれもこれもあるというのが
社会としては健全なようです。
消費者感覚としては、どうなのよ?と考えてしまいますが
白黒はっきり付け過ぎるのも、社会が、一つの方向にしか向いていないことの危険性を考えると
わからないでもないのですが。
その分、「正しい情報」は「自分で探していく」ということをしなければならないわけです。

某M社の新型コンフォートタイヤと、同価格台の某X社のコンフォートタイヤのミニバン専用。

そして体感試乗車は高級?ミニバンという、良い意味での曲者です。

あくまでも、素人向けの体感してもらいたいという主旨ゆえの、車種の選択なのでしょう。
重心高が高く、ロールしやすい、そして、足回りがプアーな車。
この条件に適した車両というのが、T車の高級ミニバンなのでしょう。(私的見解)
しかしながら、この選択には、かなりテストをされたのではないでしょうか。

主宰されたM社の力の入れようは、この体感試乗のプログラムの組み方にも表れます。

X社装着のミニバン同乗2周→M社装着のミニバン同乗2周→
X社装着のミニバン試乗2周→M社装着のミニバン試乗2周→
某V社のFF車での試乗2周。

結果は、わたしにとって、意外なものでした。

タイヤが鳴きはじめる付近のロール量が、圧倒的にM社のタイヤが少ない。
ステアリングの操作量も少なく、切り始め、切り戻しのコントロールがしやすいので
さらにロールのコントロールもできます。
ダブルレーンチェンジにしても、まっすぐ入ってクイックに右、左とレーンチェンジをしても
M社のタイヤのフィールの良さが印象に残ります。
揺り戻しのロールのコントロールがしやすいので、結果的にロール量が減らせます。

試乗したミニバンのステアリング特性に関しては
重心高も高く、ふらつきやすいミニバンに、クイックなステアリング特性では
ふらつきやすい直進安定性を、どのような人でも確保しづらいのはわかりますが
でももうちょっと、何とかしても良いような気もします。

これは、マーケティングでみると、このようなステアリング特性で良いのでしょう。
実際、左のひじかけに体重を乗せて、ステアリングの頂点を右手で掴んで
体を斜にして運転するようなミニバンなので、クイックなステアリングにすれば
あっというまに事故率が上がりますから。

さて、このような試乗を終えたミニバンの、一番負担のかかった右フロントのタイヤを見てみると
M社は全体的に摩耗しているので、印象は綺麗に見える。
X社は、ブロックの角がささくれのようにめくりあがってしまって、特筆すべきは
アウト側のブロックは表面が削れてしまって、片べりをしています。

参加者の皆さんも、この目に見える結果の違いには、どよめきがあがります。

実際、参加された皆さんの感想も、X社には、ロールの量の多さとステアリングの重さを
感じていた人が多く、これは、テストドライバーではなく
一般消費者の、素人の意見というところが、本質をつかんでいるのではないでしょうか。

X社のタイヤ表面を観察してみると、ブロックのささくれの方向は、アウト側に向いています。
これは、素人がぱっと見て、すぐにわかるような具合です。
ぱっと見た印象は、「これはひどい」です。

M社のタイヤの表面も、溝の切り方の違いでブロックが少ないのですが
よく観察してみると、溝のトップ部分は、アウト側へ向いて、やや、ささくれています。
ただ、これは普通に走らせていてこの違いはかんじとることはできないようなレベルです。
あくまでも、よくよく観察してみると、という条件付きです。

この段落は、主宰されたM社の公的見解とは関係の無い内容です。
X社のささくれは、グリップをしている結果、という、非常に皮肉な結果だと。
イメージとしては、接着力がそこそこのテープならば、付けて剥がしても、何回か使えますが
強力な接着力のテープは、剥がすときは地の表面まで剥がしてしまう、それなのだと。
グリップをさせ過ぎてしまった結果、タイヤに負担を倍々に増やしてしまい、
荷重を逃すことができずに外側のブロックの損傷とまでなった。

グリップをすることについては、一般的にイメージされる、路面との接着性だけではない
別のベクトルの見方も必要だと感じていますが、どう表現すればよいかわかりません。
グリップの質、グリップするにしても、良質なグリップと悪質なグリップというものが存在するのかも。

ここからは、私の感想です。

X社にしてもM社にしても、技術力は非常に高いものを持っているのがわかります。
ただ、その技術を使う方向の違いが、このような結果になったのだと。

持っている技術は一流でも、その方向性、目的を自ら見出すことができない日本企業(民族)が
見事に表れてしまっているように見えました。

M社は、ただシンプルに、タイヤのタイヤとしての役割を果たさせてやるためには何をすべきか、
それは、M社の開発の方の発言のように
四つのタイヤを地面に「ちゃんと」接地させてやることである、ことを意図しているように感じます。

これは、最後に乗ったM社のタイヤ装着のV社のFF車を走らせたときに感じた、
四つのタイヤのインフォメーションがわかりやすかったという印象に基づきます。
FFなので、リアタイヤのインフォメーションは希薄になってしまいがちなのですが
それでもリアタイヤのイメージが、感じやすかったような気がしています。

FF車なのに、リアタイヤからのインフォメーションがある、というのは
車の安定感にもつながりますし、実際、車も安定するのでしょう。
整備前でこれか、整備していただいたあとはどうなるのかと、衝撃でした(謎)

タイヤの技術というのは、高止まりしているのかもしれません。
飽和状態となった技術で、どの方向に使う技術を向けるのか。

人間が使うものである以上、
堀越二郎氏の言う「人間感覚にマッチした」モノ作りということが
M社のタイヤから感じられたことでした。
この「人間感覚にマッチした」というところは、タイヤと装着される車体側との関係性の帳尻など
車に関して奥深く関係していく事柄なんだと、深く思い知るわけです。
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