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帰国した選手たちへの黄色い声援 [雑感]

サッカーワールドカップで、試合から帰国してきた代表選手たちの映像がTVに流れていました。

TVをあまり見なくなったからなのか、画面に映っている印象に違和感を強く感じます。

柵の向こうに、選手たちの帰りを待っていたファンたちの黄色い声援が
TVのスピーカーから流れ
無言で、厳しい表情を崩さず空港内を歩いていく代表選手達を映す画面。
その対比の、違和感たるや、これはどこからきているのだろうかと。

ファンたちのコメントは、とにかく「前向き」。
「前向き」な発言をしなければ、「いいね!」をもらえないような雰囲気を感じたのは
ひねくれている私だからでしょうか。

選手たちは、少なくとも、空港に出迎えに来ていたファンの人たちよりも
もっと本気で、決勝リーグの進出を狙っていた。
それをなしえなかったことの悔しさがにじみ出ているとは思いますが
その選手達の空気感を読めない、このファンの黄色い声援は、何を意味しているのか。

国際連盟を脱退してきた日本の代表者、松岡洋右は帰国するまでの船の中で
国際社会から孤立をしてしまう決断をした自分に、
日本に帰れば、どれだけの罵声を浴びるものかと覚悟してタラップを降りたらしいですが
出迎えに来ていた民衆に、拍手喝采を受けたことを、意外に感じたそうです。

国際社会から孤立した日本は戦争をさらに進め、国民の命を、国のためだと失わせ
国のためだと言って、若い人の命を戦場で殺されることを賛美していた人間ほど、
敗戦後にも生き残ってしまうわけです。

ほんの十秒足らずの映像を見た後に、このことを思い出してしまいました。


最近、戦争に負けたのは、相手が強かったからだ、と、平気で言っている人たちがいます。
具体的な例示も加えるならば
東京大空襲は一般市民を巻き込んだ大虐殺だ、というわけです。

私は、そうそう、必要な防空能力を全く有していなかった日本の戦争指導者と政治家と
それらを意識的に賛美していた国民が、同国民にもたらした、大虐殺だと解釈しましたが

どうもそうではなく

連合国の空襲の仕方が、無差別爆撃だったということを、日本人は占領政策後の洗脳で
大虐殺の被害者であることを忘れてしまっていることへの、啓蒙のようで、余計なお世話です。

では、このサッカー日本代表の選手たちが、自分たちが負けたのは
サッカーに対する姿勢が間違っていたのではない。
相手よりも、誠実にサッカーという競技に向かい合って練習を重ねてきたが
負けてしまったのは、試合をした相手が、自分たちより強かったからだ、
弱ければ勝っていたのだ、サッカーに対する誠実さでは負けていなかった、
などと言うのを聞いて、だれが納得をするのでしょう。

でもこれが、日本が敗戦した戦争には、ある方々たちの脳内論理には、通用するのですから、
世の中、そんなもんです。

歴史は、良い方向にだけ転がるものではない、とは、冷徹な言葉ですが、事実でしょう。
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