勝手に止まって

交差点の一旦停止無視をしてきた車両に対して
優先道路を直進して交差点内に侵入しようとしていたミニバンが、
ホキョキョキョッと、短い強力なブレーキで衝突から逃れていました。

偶然、交差点に立っていた私は、一旦停止無視した車両が
酔っ払っているわけでもないのに、ほぼノーブレーキで交差点に進入するのを
眼の端にとらえて、ぞっとしたところに、タイヤのスキール音。





急ブレーキをかけたのはセレナだったのですが、小さなお子さんを乗せた女性が運転されていて
そのブレーキの潔さに、ナイスブレーキと思わず呟いてしまいました。
セレナ側も駐車車両がいたので交差点内に向けて必要以上に減速していたとはいえ、
速度は低くは無かったはず。

交通法規を無視した車も、思わぬ災難にあわないで済んだ車も
何事も無かったかのように走り去って行きましたが
あれが自動ブレーキの恩恵かと、走り去るセレナの年式の新しそうな事に気づいて
感心しました。

運転手で、あれほどまでに潔いブレーキを踏むことができるのは、まれだと思います。
ましてや背の高いミニバンで、姿勢も乱れずに制動し終えるというのは、想像しにくいです。
男性、女性関係なしに。
隣にお子さんを乗せていれば、なおのこと。

前のめりになり過ぎないで、四輪に制動力を瞬時に掛けられる自動ブレーキというものが
緊急時の回避、および、ダメージの軽減に有効的な事を、目の前で見ることができました。
恐らく、四輪に制動力をかけ、なおかつ姿勢制御も働かせるので
緊急時の制動力をタイヤと路面の関係をロスさせないので、より制動距離も短くなる。
ここら辺のシステムは、想像するだけでも頼もしいものです。
重心高の高いミニバンでの、緊急制動におけるアドバンテージは大きいのでしょう。

ブレーキペダルを思い切り踏みぬくと、これだけ短い距離で止まることができるのだ、
ということは、どこかで体験しておくのも大切ですね。

勝手に止まらなくても良い派、と、書いていましたが
緊急時には勝手にでも止まってほしいものだと、つくづく思い直しました。

ただそうなると、前の車が勝手に止まっても、その後ろの車が勝手に止まれない車だと
このブレーキスキルの差は、運転手が埋めなければならなくなる。
これはかなりのハンデになるので、勝手に止まることができる機械は標準装備になるのが
近い将来の事になるのか。
仕事車に付くようになると、社会の公益に対する影響は小さくないんですがね。