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83年の鈴鹿、日本GP [雑感]

YouTubeの紹介欄に、83年のスペンサーが鈴鹿を走った動画が上がってきました。

これを上げてくるあたり、GoogleのAIの凄まじさをちょいと感じてしまいます。
このSS-blogにすら、耳学問レベルの二輪の話は、ほぼ出していないはずなのに、
どうやって候補にしてきたのか。

しかしおかげさまで、37年前の二輪のレースを見ることができました。




スペンサー対日本人レーサーというレース内容ですが、
ポールポジションは鈴鹿のコースレコード更新をしたスペンサー氏。

解説の方のお話が非常に心地が良いです。
コースレコード更新のタイムについて
「スペンサーは、鈴鹿を走るとこれくらいのタイムは出せるよと教えてくれていますね」と。
ということは、スペンサー氏の引き出しはまだ余っているということです(苦笑)

一周目は、ほぼ様子見の走行ながら、日本人ライダーは誰1人ついていけず、
解説者の方もおっしゃってしましたが、
スペンサーの後ろに、ついていけたら引っ張っていってもらえるかもしれなかった
日本人ライダーは、一周目のスプーンコーナーの二つ目でフロントをつんのめらせて転倒。
走り出してから1分50秒です。
恐らくスプーンコーナーの旋回速度に対応できなかったのでしょう。

そこからは、スペンサー氏の独壇場。

番組を見ていて興味深いのは、アナウンサーの方が2輪のレースの実況については
知識と経験の少ない方だったのですが、的確な、そして客観的な実況に、
そのようなデメリットを全く感じさせません。
多分、地上波でF1を実況していたアナウンサーより的確です。

スペンサー氏と他の日本人ライダーのコーナリングの違いを
滑らかさが違います、非常に滑らかにコーナーを回っていきます。と、スペンサー氏の
乗り方を実況されています。

見たままを実況するということを突き詰めていけば、どのスポーツでも差異をしっかりと
見極めることができるのでしょう。

私は、1コーナーから2コーナーに入るときの排気音の差異が気になりました。
スペンサー氏の排気音は、フォォォォォと加速していく柔らかい整った音。
他の日本人ライダーは、エンブレに近い、ワッヴァァァァンンンン。
2コーナーの後のS字はフロントタイヤの向きがアウト側。
旋回速度が違いすぎて、日本人ライダーが転倒するのも頷けます。
ついていこうと思ったら、当時の表舞台のライダーでは
初体験の速度域でびっくりしてとっ散らかったというところでしょう。

二輪ではその後、日本人ライダーの活躍もありますが、
下位カテゴリーでは最速であっても、500に上がると車体を抑え込めずに結果を出せれない。
というのは、現状でも同じことなのでしょう。

この車体を抑え込むといった言葉を使いましたが、筋肉や肉体の問題だけではないようで
日本人ライダーの不幸な事故もありましたことから、
二輪のこの問題にいついて、事情を知ることはありましたが私は語るところを知りません。

別のことを考えます。
これよりのち、バブル景気に突入していく高度経済成長期の日本社会は、
潤沢な資金をもとに、広告塔としてのライダーを仕上げていく作業に入るのでしょう。
宣伝広告とは違う結果の日本人ライダー、もしくはF1レーサーが生まれる黎明期の時代の
レースだったかもしれません。
アナウンサー、解説の両氏も明らかに、スペンサー氏の走りから、
日本人が教えを乞うという姿勢を明確にしています。
それが83年当時の日本人の2輪のレースのレベルでありましたし、HONDA NSR500が
最盛期を迎えていくのと同時に、日本人の2輪のレベルも格段に向上していくことになるのでしょう。

バブル期以降の日本人F1ドライバーに対するフジテレビ地上波の、
「客観性に乏しい口八丁」解説がはびこる前の、
ドライバーにとっては背伸びをせずに済む良い時代だったかもしれません。
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